「自分の背中を見て育て」という世界観が重要だと思える場面を除き、私は、管理職にはそのようなマインドを持ってほしくない。求められるスキルも、そのスキルを磨くために使える時間も、組織の中での役割も同じではない。
例えば後進を育成するのに、あなたが育った時間と同じ時間がかかるならば、その方法を選ぶわけがない。将来予想される労働人口の形は、確実にあなたが膨大な時間をかけていまの知識レベルになった以上の効率化を追求することを助言している。
テクノロジーの進歩もある。数人の社員で一台のパソコンを共有していた時代、役所に提出する膨大な資料を手で書いていた時代ではない。
いまの若い世代は、あなたよりもはるかに刺激的なテクノロジーを受け入れることに寛容である。そういう人達を1日も早く現場レベルのリーダーに育成するために何をしなければならないのか。
誰なら、一番効率よく人を育てることができるのか。誰なら現行の仕組みを更に効率的にするためのアイデアを出してくれるのか。誰なら、暗黙知を形式知にしてくれることができるのか。誰なら、自分たちの組織以外でやられているアイデアを調査・分析して、導入することを提案してくれるのだろうか。