5. 異業種交流会

私は30歳くらいになった頃から何十年も色んな異業種交流会を開催してきています。動機は人への興味がすごくありました。

最初に作った会は「サーティ会」といって、私を除いたら全員がサラリーマンではない、30代の方々に限定した異業種交流会を主宰しました。サラリーマン以外の方々の会を主催した理由は、毎日仕事を中心として多くの人との出会いがありますが、別業界の方々との出会いが少なく、なにか物足りなさを感じていたことにあります。若くして不動産業を経営したり、税理士になったり、飲食店を経営したり、2代目の開業医だったり、多士済々な方々との異業種交流会を主催することにより、広い範囲の社会勉強ができました。

ここでオーナーであるが故のご苦労や悩みといった、会社では学べないことも聞けました。

当時まだ全国に数店舗しかない頃のTSUTAYAの増田宗昭社長にもゲストで来ていただき、若き経営者の夢も聞かせていただきました。ご存じのように増田社長はその後、全国制覇を達成し、初期の夢以上の大成功をされました。

もう一つ思い出深い異業種交流会を主催しました。百貨店の本社の婦人服部長時代、当時百貨店戦争なるものが各地でありました。私の百貨店が大阪駅の梅田に出店する際、真向かいの百貨店に随分意地悪されました。「向かいの百貨店に新規の出店をするのなら、この店から出ていってください!」といったたぐいです。展示会に行っても百貨店同士がプイと横を向くような感じでした。

私は業界としてもこれは良くないと思い、大阪の百貨店の婦人服部長にお声がけして「大阪百貨店婦人服部長会」なる私的交流会を開きました。最初は3名くらいからスタートしましたが、ほぼ大阪中の百貨店の婦人服部長と仲良く交流しあえるようになりました。今でもその交流は続いています。また独立した後も色々応援もしてもらえました。

目先の都合のいい方だけと会うより、まったく違う業界の方々や利害が相反する方々とも交流しておくのが、この異業種交流会の極意のような気がします。