ホッと一息 春深まり
4月の末、校門前の側溝から、首を長ぁーく伸ばし、綿毛を飛ばそうと頭を出しているタンポポを見つけました。
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タンポポというと、足下に背丈低く、可憐に咲いているというのが私のイメージだったのですが、深い側溝の底から、これでもかと首を伸ばし、何としても綿毛を風に乗せて、遠くまで飛ばしてやるんだという「意志」のようなものさえ感じられました。
そこでも、自然の中での生きる力がはたらいているのだなぁーと、感心させられました。よく言われることですが、身の丈というのはとても大事なことです。
人はあまり背伸びをし過ぎず、身の丈に納めておくのがいいようですし、所詮は、身の丈以上のことはできないものです。ただし、その身の丈を伸ばす努力は必要なのではないでしょうか……。
伸び盛りのみんなにも、そんな「意志」を持ってほしいと願っています。
都内に3校残る「男子全員坊主」の中学校
非常勤講師ではあったが、私が初めて中学校に勤務したのは、当時東京都内に3校だけ残っていた「男子全員坊主」の学校だった。
まさに下町にある学校だったが、近くに官舎があり、そこからも多くの生徒が通っていて、二つの文化が入り交じった学校だった。体育教官室には、大学の20年先輩の先生がいて、さまざまにご指南くださった。
ただ、体育の授業において、毎時間、頭髪検査があり、少し髪が伸びたと思われる頭に手をやり、指の間から髪の毛が出ていると「明日までに刈ってこい!」と指導を入れるのには、とてつもなく抵抗感を覚えた。
というよりも、生理的に受け付けられなかった。幸いにも非常勤講師だったので、その頭髪検査は一度も行わなかったが、その先輩がやっているのを目の当たりにしながら、スッと距離を取り、おそらく気がつかれていただろう嫌悪感をあらわにしていた。
ところが、平成元年のことであり、時代錯誤も甚だしい学校だと思っていたが、職員室では、「もう坊主は終わりにしていいだろう」という考えが大勢を占めているような感触だった。
よく聞いてみると、実は「男子全員坊主」という校則を無くすのに反対しているのは保護者だ、ということだった。坊主だと繁華街に行ったりなどの心配が少なく、非行に走るのを抑制できる、というのだ。