消費者が買ってくれるものを作るのが生産者であり、食品メーカーなのです。安価でカビが発生しない食品を要求すれば、食品会社はいくらでもその要求に応えます。応えますが、ここが大問題! 彼らは農産物であれ、食品であれ、損をしてまでよい食品を世に送り出すことはしません。
なぜなら、企業は利益を確保しなければならないという基本的目的があるからです。消費者が安価なものを求めれば原価を極限まで削減します。企業努力でおさまる範囲ならよいのですが……。
ときには、度を越えたひどい素材を使っている場面に遭遇することもあります。
「こんなものを買う人がいるんですか?」
「何言ってるんですか、一番の売れ筋ですよ。おかげさまで」
「???」
これが? 昨今の食の実態なのです。
先ほど、安価でカビが発生しない食品と申しましたが、カビが生えない食品とは生命力を失っている食べ物です。