大学2年、国立競技場で行われた全国インターカレッジ。

800m走の決勝、一番苦しくなる2周目のラスト200mで私は、自然に笑顔で前方の選手を抜き、笑顔でゴールテープを切ることができました。

初めての全国優勝でした。

「笑いや笑顔には、ナチュラルキラー細胞という免疫細胞を活性化させ、免疫力をアップする効果があり、病気の予防にもなる」という研究結果があります。「つくり笑いでも、口角を上げて微笑んでいるだけで表情筋の動きは脳に伝わり、一人で過ごす時間に免疫力を高めることができる」といいます。

にっこりと笑顔で挨拶を交わすだけ。人と笑顔で向き合うことで、お互いの免疫力がアップするそうです。むっつりと無表情でいるのは、せっかくの免疫力を高める機会を逃していることになります。

アメリカの心理学者トムキンス氏が発表した『顔面フィードバック仮説』があります。

笑顔になることで顔の表情筋が刺激を受け、それが脳にフィードバックされると、ポジティブな感情が生まれるという仮説です。

「顔の筋肉は、感情をつかさどる脳のA10神経群が密接に関係していることから、脳科学の視点からも、笑顔を浮かべていると脳が楽しいと勘違いしてポジティブな思考になりやすくなる。反対に、深刻な顔をしているとポジティブな気持ちにはなりにくいとも言える」ということなのです。

自分の顔が深刻になったら、自発的に笑顔をつくってポジティブな気分にする。

笑顔は、自分も周りも平和にするのです。