薬剤師・国際中医学専門員の佐田義尚氏が、「慢性的なかゆみの精神への影響」そして対処法についてわかりやすく解説していきます。

膿について

次に粘性のある透明な膿はもう少し悪い時で、最も悪い時に出るのが粘性のほとんどない膿という感覚があります。この粘性のない膿が出る状態の時に一番掻きむしることが多いようです。

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またこの膿は他の二つに比べて固まりにくく、止めどもなく出てきます。ひどい時は噴き出た膿がシャツを通り越し、シーツを通り越し、ベッドマットにまで達することもあります。

皮膚はぬるぬると気持ち悪く、掻きむしるので部分的に痛みも伴います。その上、熱を持ったところは特にかゆみが強く、眠ることもできずひどく疲れます。

そこで固まりにくいのをドライヤーなどでどうにか固まらせ、かゆみを同じくドライヤーで抑え、ようやく落ち着いて横になると、今度は体の下になったところ、つまり圧力のかかったところから膿がしみ出てくるのです。

すると今度は膿の固まったものまでまとわりついてくるのでさらに気持ちが悪くなり、かゆみが倍増します。この状態で半狂乱になるのを我慢して固まらせると、腕なら倍ぐらい太くなって、皮下(皮膚と言っていいのかわかりませんが)には次の膿がいっぱいになっています(自分の肉の上にもう一枚肉が付着している感じ。ひどいとそれを引き剥がせそうな時もある)。

ここで気を緩めて掻くと、再度どっと噴き出します。何度か試したのですが、噴くだけ噴かしたら膿がなくなり治りも早いのではないかと思って、膿が出てきたら拭き取り、止まりかけたら搾り出してみたことがあります。

その結果、少し膿の量は減りますが疲労困憊するだけで、皮下に膿が溜まっている感じはほぼ変わらず、治りは余計に遅くなりました。したがって、膿への対処は、出来るだけ固まらせて固まったら出来るだけ壊さないようにすることです。

また、かゆみが出ている時はそれだけで体力を使う上に、膿が噴いた時にはなおさら体力を消耗します。だからきっちり食べ、体力をつけることが大切になります。

さらに出来るだけきれいにし、化膿させないようにすることは重要です。ただ、ここまでひどくなれば、病院での治療をまず考慮するべきです。