- - - - - - - デート失敗談- - - - - - -

ケーブルテレビばっか観てた家の影響で、アメリカのホームドラマをたくさん観すぎたせいか、日常会話がたくさん出てくるコメディやドラマが好きな半面、現実離れしたファンタジーやSFが、からっきし苦手だった。

中学のときの彼女に誘われたハリー・ポッター的な何か(題名さえ覚えていない) も、冒頭で示された謎解きのヒントに興味が持てず、筋を追えなくて、気づけばスヤスヤ眠ってしまっていた。エンドロールが流れるなか、肩を叩いて起こしてくれた彼女の、呆れたような、白けた目が忘れられない。初めて二人で遠出するデートだったから、前日色々張り切りすぎて、なかなか眠れなかったのだ。あれは絶対振られた原因のひとつだな……。

全然興味の持てない映画でも、嬉しそうな彼女の笑顔をみるだけで、よかったのに。気持ちが高ぶって、キャパオーバー。

機嫌を損ねた彼女の気持ちを、うまくフォローできなかった、苦い想い出。

いつもの男子仲間と、話題作のアクションものや特撮ものはたまに行くけど、基本、好きな映画を観に行くのは、ひとりだった。

自分から誰かを誘うなんて、もしかして初めてじゃないだろうか。

期待半分、不安半分。

とにかく今日は、早く寝よう。