次は――
「変身!! イヤイヤヒーローだ!!」
強そうだろう? シュワーチと参上だ! そしてボクはイヤイヤビームを出しまくる。もちろんママは困る。でも、まだまだ足りないぞー。
「イヤイヤビーム!! トリャー!! ビビビー」
イヤイヤビームをたくさんあびたママは困り果ててしまった。
「ヘヘヘ。ボクの作戦通りだ!」
ママはイヤイヤビームの相談をするため、たくさん外に出かけるようになった。そして、たくさんの人に出会って、気の合う友達もできた。一緒にお茶会なんかもしちゃって、グチとやらも話す。
「ママ友というやつだな!」みんな、グチりながらもすごく楽しそうじゃないか!
「イヤイヤビーム作戦、大成功だ!」
グチとやらを出し合った後は、みんな清々しい顔をしてケーキなんかほおばって、「また今度~」とごきげんにあいさつをする。そして、それぞれの家へと帰るんだ。ママもボクの手をギュッと握って一緒に、家へと歩き出す。ふとママの顔を見上げるボク……
「な、な、なんて優しい笑顔なんだ! すごいぞ。ボク!」
「よし!! 第四任務 完了!! みんな、お疲れさま〜」
次は――
「変身!! 小学生ヒーロー参上だ!!」
ボクは、大きすぎるランドセルをセット。顔をひきつらせながらも、強気にピースをして写真に写る。横にいるママも周りのみんなも、なんて晴れやかな笑顔なんだ!
「よし!! あっという間に 第五任務 完了!!」
ボクは、ママのヒーローになるために、たくさんの技も身に付けた!
お手伝いヒーロー技。テストの点が悪くても笑っちゃえヒーロー技。たまに病気になって一緒にいてやるぜヒーロー技。
「ヘヘヘ! ヒーロー技は、他にもいっぱい持っているんだ!」
そんなこんなの6年間なんて、あっという間。ママは6年間、笑ったり怒ったり心配したり……と、もりだくさんでバタバタの日々を過ごした。でも、かけがえのない日々だ!
「ママ!! すっごくイイ顔になってるぜ!」
小学生ヒーローもそろそろ終わり、卒業式だ! ママは、いつもよりきれいな洋服を着て、バッチリメイクをして、とびっきりの笑顔だ。
卒業式も無事に終わり、誇らし気にママを見て、ボクはびっくり!
「ママ……感動してたくさん涙が出たんだね。わかるよ、わかる! ボクもすごく感動している。でもママ! バッチリメイクが涙でくずれて、ママが変身しちゃってるぞ!」
ボクは、さり気なくハンカチを渡す。
「ありがとう~」とママがこっちを見た。
「最高の笑顔だ!! よし!! 第六任務 完了!! 」