「公立は『オワコン』だ」なんて言わせない! 教育現場にはびこる不信、あきらめ、無関心。そして現場を無視した制度改革――。 社会が目指すべき学校教育とは? 現役教師が解説していきます。

行事編~子どもが夢中になって、大きく成長するチャンス~

私は行事をこう考えます。難しい理屈もありますが、まず一番に「楽しむこと」です。これが最も大切です。その中で、「一緒に楽しむ仲間との絆を強くすること」や「自分たちでやろうという自主性」も大切です。

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そして、「なんのために歌うのか」「合唱を通してどんなクラスにしたいの。」を考えさせることも大切です。クラスには、歌の好きな子も、苦手な子もいます。しかし、みんなが夢中になって、協力しあって、1つの歌を創り上げるからこそ、苦しいけれど、楽しいのです。そしてそのひたむきな姿こそ、必ず聴いている人を感動させるのです。

うまい下手は別問題であり、「心こそ大切」です。うまいからといって人を見下したり、下手だからといって自分を卑下したりする必要もありません。そして本来歌とは、人を前向きにする力があり、順番を決めるものではないのだから、このクラスにしかできない歌を目指していくことの重要さも伝えたいです。

合唱コンクールでの教師の仕事は、「心豊かに歌という文化を楽しませ、いかに子どもを夢中にさせるか」ということだと思います。練習期間には、多くの作戦を立てますが、とりあえず、叱って歌わせたことは最近ではほとんどありません。

必要であればしますが、できればそれ以外の引き出しをフル活用しようと思っています。なにせ行事ですから(その作戦は、いつかまたみなさんと語り合いたいです)。