しかし、実際に行事の準備期間に入ると、練習がはじまったばかりにもかかわらず、子どもが歌声を出さないことに対して教師が、「おい! やる気あんのか。ないならやめろ!」「もっと口を開けろ! 大きい声を出せ!」という声かけで、無理やり歌わせていることがあります。これは歌うことの楽しさを味わわせるための指導になっているでしょうか。

子どもの顔がみるみる曇っていき、叱られるたびに歌うことが楽しそうではない子どもが増えていく。これでは合唱コンクールを行う目的と逆行しています。

かつての私もそうでした。とにかく自分のクラスが勝つことを目指していました。やはり、教師が勝つことだけを目的としていたり、「はたから見て完成度が高いこと」という体裁のよさを求めていたりすると、行事はつまらなくなるのだと思います。