俳句・短歌 短歌 自由律 2021.01.30 句集「曼珠沙華」より三句 句集 曼珠沙華 【第27回】 中津 篤明 「冬花火 亡び 行くもの 美しく」 儚く妖しくきらめく生と死、その刹那を自由律で詠う。 みずみずしさと退廃をあわせ持つ、自由律で生み出される188句。 86歳の著者が人生の集大成として編んだ渾身の俳句集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 冬ざれと いう 醜男(ぶおとこ)や 歌舞伎町 塩釜は 雪なり 石の 郵便夫 旅の 終りの 淡きもの降る 花茗荷
エッセイ 『良子という女[注目連載ピックアップ]』 【第7回】 野村 よし 「あなた、私は幸せでした」…妻は状況を直感していたのだ。私は言葉を返すことができず、妻から離れた。 【前回の記事を読む】「お母さんが嘔吐を繰り返してる。いま救急車出発した」娘からのメール。私は結婚式の帰りの新幹線の中で、酒を呑んだし、雨だし…私の心臓は躍りだした。先生はAという御自分の名札を見せた。若い先生だった。A先生は低い声でゆっくりと話した。それが私の耳には聞き取りにくかったが、要は、「腸閉塞は確実にあります」「問題は腸閉塞が何を原因として起こっているか、です」「一番考えられるのは“大腸…
小説 『今のこのままの日本でいいのか』 【第6回】 一粒 野麦 「今のこのままの水泳部でいいの?」店内の喧騒にまぎれて、思いっきり叫んだ。うちは弱い。 “進学校にしては善戦してる” って… 【前回記事を読む】「OB・OGたちからのおごりあり!」そうチラシに記された天国のような部活。音楽に捧げてきた少年を虜にしたのは―。大会後、歴代の大学生OB・OGがずらり勢揃いした寿司屋2階座敷貸し切りでの打ち上げでは、先輩たちもその応援を絶賛してくれ、次々とビールを注いでもらい、声枯れした喉のアルコール消毒だとか言って盛り上がる一方で、来年こそは選手として褒められたいとの思いを改めて胸に秘めつつ…