まあまあまあまあ、抑えて抑えて。
ここでの目的は、何が正しいかじゃない。
「彼はなぜ怒るのか」を知ることだ。
いったん自分の価値判断を置いて見てごらん。
彼は、おだてられ、持ち上げられれば、怒らないことがわかった。
そして、そういう人間を重用する。
「彼は、人の上に立ちたい、褒められたいんだ!」
これは、大きな収穫だよ。
だって、彼の取り扱い説明書には
「おだてれば、うまく働きます」って書いてあることがわかったんだもの。
このことから、なんとなく、彼の劣等感が見え隠れするパターンがわかってくる。
なんと言うか、彼は「俺はエライ!」っていう着ぐるみを着た状態なんだよ。
劣等感がバレないように、そこをつつかれると怒鳴るのさ。
(彼がどうしてその劣等感を抱くに至ったかは、また別の物語だ)
今は、そうわかった君がどう行動するか、選択肢がある。
上司としての差別を訴えることもできる。
こんな上司の元で働きたくないと仕事を辞めることもできる。
彼のプライドを尊重し、よいしょしつつ仕事をこなしていくこともできる。
彼を立てつつ、彼の仕事のやり方を諫(いさ)めることさえできるかもしれない。
大事なのは、彼を馬鹿にすることじゃない。彼を理解し、どうするか決めるんだ。
今度は、むしろ君のプライドにかかってくるだろう。
でも、わかってるだろうけど、プライドって時々厄介なんだ。
だから、賢く行動するように忠告するよ。