行動せず悩み続けるか、復讐するか

デンマークという国にとても美しいガートルードという王妃がいた。三人の男が、ガートルードのことを愛していた。デンマーク王の弟で有能な政治家のクローディアス、デンマーク王を心より尊敬していた貴族のハムレット、クローディアスを尊敬し、国務大臣ポローニアスの息子であるレイアーティーズだ。

しかし、所詮かなわぬ恋だとハムレットとレイアーティーズは早々にあきらめていた。そんなある日、デンマーク王が急死した。

ある日の寒い夜、デンマークのエルシノア城に、今は亡き王の亡霊が現れた。鎧姿の亡霊が出たのはこれで三度目である。

見張りのフランシスコと士官のマーセラスとバーナード、そして亡霊が現れることを聞いてやってきた、ハムレットの友人ホレイショーがそれを見たのだが、ラテン語で亡霊に話しかけても返事はくれなかった。それで、先王が特に気に入っていたハムレットなら、亡霊も話してくれるのではないかというホレイショーの提案を受け、ハムレットに知らせることに三人の意見が一致して、鳥の声と共に夜が明けた。

昼になり、城内の会議の間で、今はデンマークの王であるクローディアスが玉座にのぼり、演説を始めた。

「私たちの親愛なる王が死んで、まだその思い出は離れない。皆深い悲しみに耐え、苦痛を分かち合っていることだろう。しかし、いつまでもこうしているわけにはいかない。