太陽が二人を照りつけ始めた頃、ようやくミコトはスライム達に別れを告げ、真っ青に広がる空を見上げた。その様子は何故か、これから自分達の身に起こるであろう、良からぬ何かを感じとっているかの様だった。

(ミコトは何かを察してる……?)

タクは僅かな不安を感じた。

「暗黒の王を倒すには、伝説の剣が必要らしい」

タクがミコトに言った。

「町まで行けば、何か分かるかもしれないな。」

そして二人は、伝説の剣の情報を得るため、町へ向かうことにした。町へ行くには、この先にある森の中を抜けると近道だ。

まだ日も高い。弱いモンスターが多少出たとしても、タクには何の問題もないだろう。

二人は戸惑うことなく、森の近道へと入って行った。その近道の途中には大きな泉があり、ミコトははしゃいで泉に近寄ると、コインを投げた。

何かの映画の真似事だろうか。タクは笑って、そんなあどけないミコトを優しく見つめていた。