ANOTHER NEW YORK
Q . B . の昼と夜
バスケットボールの試合観戦後、Tとしばらくストリートをブラブラと歩いていた。気が付くと、あっという間に日が暮れ、辺りはかなり暗くなってきている。
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子どもやお年寄りたちはいつの間にか姿を消していた。たまに、買い物帰りの若い女性や仕事帰りと思われる男性、10代ぐらいの若者の集団を見かける程度。一気に人通りが減り、それと同時に大きな静けさが訪れる。ここQ.B. にも昼の顔と夜の顔がある。
ストリートの端に寄って、コソコソと何かをしている数人の男の子たちを見かけた。小学生ぐらいだろうか。ほとんどの子どもたちは、すでに家に帰っている時間だ。Tが近付いて行くと、彼らは一瞬驚いた様子で立ち上がった。そのうち何人かは手を素早く後ろに隠したが、Tにははっきりと見えていたらしい。
Tは厳しい口調で子どもたちに注意をしている。子どもたちは素直にTの言葉に頷き、その場を足早に去って行った。「どうしたの?」「あいつらが火遊びしてたからさ。ちょっと注意しただけだよ。ああいうの、すげぇ、危ねーから」