「要領が悪い点を補い、気弱さを褒めて押し上げ、真面目さを活かす」

これが、彼に最大のパフォーマンスをさせる処方箋なのです。

ところが、上司は自分が習ってきたゴリラ手法で彼を鍛えました。

彼は、誰にだってそうすべきだと疑わず、できなければ叱り飛ばし、

気弱な彼にイラつき怒鳴り続けました。

その結果が、「豆腐」です。

上司は彼を指導しましたが、彼を知ろうとはしませんでした。

彼はどうでしょう?

相手から逃げても、相手を恨んでも決してうまくいきません。

要領が悪いことを自覚し、どうしても繰り返し訊いたりすることが多くなっても、

相手の嫌な顔や、怒鳴る風圧に負けない踏ん張りが必要です。

「自分じゃダメなんじゃないか」「自分が悪いんじゃないか」と自己を否定し、

自分らしさを失ってどんどんエネルギーを売り渡し、冷えて固まったんです。

いいですか。

「気弱さ」は「優しさ」に、「要領の悪さ」は「粘り強さ」に変えていけるんです。

尻込みせず、被害者にならず、諦めず、愚直な自分を認めてください。

彼は上司になる必要はありません。

自分であり続けるんです。