北海道
ちょっとだけ北快道 二〇一七年八月
【第二日目】晴れ晴れしたぜ 函館
今日は、函館空港発午後四時四十分の飛行機で帰るので、函館を一路目指す。朝一に食事を済ませホテルを出る。
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北海道の道路は広く走りやすい。どの車もかなりの速度で走っている。田舎道では、お爺さん、お婆さんが運転する時速七十㎞超の車が、次々と僕の車を追い越していく。
道央自動車高速道路は、片側一車線の対面通行だ。道路は、ひたすらに、ただひたすらに真っ直ぐ、地平線の果てまで伸び、夏の青空に飲み込まれて、視界から消えていく。
単調な運転が呼び寄せる睡魔との壮絶な戦いに勝利し、函館に無事到着する。函館は気温二十四度。九州では、二学期が始まり夏休みの思い出の風化が始まる九月下旬くらいの暑さだ。
函館駅前一帯は、カニを中心に、ウニ、スルメイカ、ホッキ、ホヤなどの海産物を販売したり、その場で食したりできる店がひしめき合っている。そんな店をひやかしながらぶらぶらと歩く。なんだか海産物エキスポのパビリオンを巡っているようで楽しい。とにかくカニの量が凄い。日本中のカニが、観光客の胃袋を己の終焉の地と覚悟を決めて集結しているように見える。
女房と息子たちは、丼に自由に海鮮をトッピングできる店で昼食。刺身が苦手な僕は、駅前を彷徨(さまよう)。意外と塩ラーメンの店が見つからない。十分、二十分と見つからず、そろそろ焦りだしたとき、よく言えば老舗、悪く言えば痛みが激しいラーメン店が見つかる。