「公立は『オワコン』だ」なんて言わせない! 教育現場にはびこる不信、あきらめ、無関心。そして現場を無視した制度改革――。 社会が目指すべき学校教育とは? 現役教師が解説していきます。
実際の教育活動の中で輝く「教育哲学」
私が教えてもらった大切な意識。それは生徒指導を通して心を育て、幸せになってもらうことです。
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子どもを頭ごなしに叱り、その場では素直に「はい」と返事をさせても、心の中で「あっかんべぇ」をされていたら、生徒指導とはいえないのです。つまり反発だけを生むような叱り方で、「生徒対教師」になってしまっては、子どもは自分の行動を振り返ることができないということです。
「トラブルは、悪いと知っていてわざとなのか、知らなかったのか」「自分の行動の何がいけなかったのか」「誰が悲しい思いをしているのか」「改善していかないと自分にどんな不利益があるのか」「どうやって解決したらよいのか」を自分の頭で考えさせるのはどうでしょう。
また、子どもは「反省した」と言っても、何度も同じ失敗を繰り返すことがあります。そのときに、「嘘をつかれた」「信じていたのに裏切られた」と言う教師もいます。
しかし、一度言っただけでわかったら苦労しません。頭ではわかっているのに、どうしても行動にうつせないから子どもは苦しいのです。私はその度に、時には厳しく、それ以上に大きな心で粘り強く話をしていけばよいと思うのです。
私たちが信じるのは「こどもの発言」というよりも、「子どもの可能性」だと思えばよいのです。ぜひやり直すチャンスを与えてあげてください(私も学生時代、何度も同じ失敗を繰り返し、何度も何度も叱られました)。