発達障がいは治療できる 診断、対処法、正しい治療を受けるために
“「発達障がい」は治療ができない難病ではありません。具体的な向き合い方、どうすれば症状は良くなるのかといった筋道はあります。早期発見・早期介入が求められるのは、治療が早ければ早いほど症状に改善がみられるからです。”医療現場の実情、最新の診断・治療法を専門の小児科医が解説していきます。
発達障がいの(リ)ハビリテーション
発達障がいを抱えたお子さんは、発達性協調運動症という、いわゆる運動(球技や縄跳びなど)が苦手であったり、手先が不器用であったりする面を併せ持っていることが多く、そのリハビリテーションとして代表的なものが感覚統合訓練(SI:Sensory Integration)です。
本来、リハビリテーションというのは、リ・ハビリテーション(re-habilitation)です。「re」という再びや繰り返しを意味する接頭辞に、能力を獲得することという意味がある「habilitation」がついたものです。つまり、一度獲得したのに失ってしまったものを再び得て社会復帰するという意味になります。
従って、これから言葉を理解しやすい心と体を「新たに」得ようとする感覚統合訓練は、発達障がいを抱えたお子さんにとっては、「リ・ハビリテーション」ではなく、本来は、「ハビリテーション」なのです。「リ」という「再び」を意味する文字は不要なのです。
そういう意味では、言葉の遅れたお子さんに言葉の訓練をしたり、うまく歩くことができないお子さんに歩行訓練をしたりすることも、すべてハビリテーションなのです。小児科のリハビリテーションはほとんどがハビリテーションと言っても過言ではありません。