「公立は『オワコン』だ」なんて言わせない! 教育現場にはびこる不信、あきらめ、無関心。そして現場を無視した制度改革――。 社会が目指すべき学校教育とは? 現役教師が解説していきます。

実際の教育活動の中で輝く「教育哲学」

どのような目的で生徒指導を行うとよいのでしょうか。

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1つめは、子どもが自分の意志で困難を乗り越えたという成功経験をサポートするためです。そのために教師は、トラブルが起きたら、すぐに叱るのではなく、よく観察することが大切です。そして、子ども同士で解決できそうなものであれば、見守ります。

子どもたちの中には、大人にはわからない「子どもの人間関係の世界」があります。教師がでしゃばってしまうことで、問題を複雑にしたり、子どもが自らトラブルを解決していく「たくましさ」を奪ったりしていることがあるからです。例えば、傷が治りかけるときにできる「かさぶた」って気になりますよね。気になるから触ってしまうのですが、触ってはがれたら更に治りは遅くなります。あえて気にせず、ほうっておく方が、治りが早い場合もあります。

トラブルとは一般的によくないことだと思われていますが、学校で子どもが起こすトラブルは本当によくないことなのでしょうか。教師から見て、トラブルのない状態が「よい状態」なのでしょうか。

先ほども述べたように、子どもは成長途中の人です。トラブルはあって当然。私は常々子どもに「トラブルは学びの大チャンスだぞ!」と話しています。教師は、子どもが起こしたトラブルすら、子どもを理解し、困難を乗り越える力を身につけさせる機会にすべきだと思います。