シマは煙草に火をつけ、興奮のあまり肺の奥まで思い切り吸い込んだ。

「それと、修理を手伝ってくれか……アツシ、その紙の感想は」

「……とんでもない設計図、作業工程図ですよ。ゼロ戦、戦艦と今までいろんな設計図を見ましたが、見たこともない、とにかく驚きです。この優れた科学力を軍事技術に転用する方法もあるかもしれませんね……もう少し様子を見てみますが」

3人は食い入るように机に置かれた設計図・作業工程図に見いる。かなり細かい字でプリントされていて、時々ルーペで睨み、図を拡大しながらメモを取った。口から出た紙の幅は10㎝ぐらいであろうか、長さは2メートル以上にも及んだ。T

ENCHI・天地。天から地に落ちてきた天地……どこから来たのであろうか、ドイツ総統のヒトラーが自殺したというが、科学立国ドイツから送られて来て誤って落とされたものであろうか……、時間はあまりない、このはるかに優れた科学技術の軍事転用……、太平洋戦争……この苦しい戦況を逆転させるには科学力しかない……三人は個々に考えていた。