第4話 海亀型ロボット
「私の名前はTENCHI【天地】あなた方の頭脳は、と……見込みがありそうだ……修理を手伝ってくれませんか」
自らをTENCHIと呼ぶその物体は頭を左右に動かし3人を見つめ、目を赤く点滅させる。人体を透視する機能があるのか?シマは想った。
「とりあえず、これからの作業工程と私の設計図です」ジーッという電子音をさせながら口からレシート状の紙を長々と出した。
「喋るうえに、印刷紙も出てくるのか!」アツシは驚きを隠せないでいたが、この亀型の物体が爆弾でもなく、敵ではないようだということを咄嗟に感じとっていた。シマはTENCHIの口から出された紙を手に取りしげしげと見ていた。
「ちょっと来い!」シマは二人に指図し。ガチャツ隣の別室に移動し、即座にTENCHIのいる部屋に鍵をかける。
「アツシ、涼子これを見てくれ」シマはTENCHIから出された紙を手渡す。
「まあ座れ」移動した部屋は机と椅子が置かれた会議室になっていた。
「先輩、なんなんですか、あれ……」驚いた表情で涼子は問う。
「これから、あの海亀型のからくり模型を、自身で呼んだように『TENCHI・天地』と呼ぼう。私の見解だが、日本語は分かるようだ。赤い目が点滅すると、かなり高度な透視能力を発揮する。理解能力も高い。あの爆薬が満載している部屋で、自爆もしていないところを見るとアメリカ軍の秘密兵器ではないように思う」