1 「すぴなっつおら」誕生秘話

ローマの平日?

さっそく、スタッフ全員集合!

「私はイタリアに行きます。言葉なんかどうにでもなります。いえ、違います。ローマの休日ではありません。ローマの平日です。仕事です。この店がこれで成功したとは考えていません。今後いっそう繁栄するため、ある交渉をしてくるのです。私の留守中、これだけは守ってください。自信のあるものだけをお客さまに提供してください。プロのプライドを忘れないように。では、行ってきます」

アルフレードス先生の研究室は、大根駅に勝るとも劣らない大の田舎で、ローマの休日ならぬへんぴ村の平日。

ここの住人は終始鼻歌まじりのカンツォーネで、陽気そのもの。雨が降っても傘をさしません。その辺のなるべく大きなフキを切って、ひょいと担いで傘の代わり。それがまた周りの景色に溶け込んで、何の違和感も与えないのがなんとも不思議です。

さて、重大な交渉事の結果が出ました。先生いわく「あなたの気持ちはわかりました。いいですよ。好きにやってください。あなたを信頼しますから」ということで、万事OKの乾杯となったのです。さらに先生はこう励ましてくださいました。

「あなたが大きく成功するよう祈っています。そして、このイタリアで活躍してくれる日を私は楽しみにしています。良き友人でいたいものです」