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第一部 黎明期(心底癒しの贈り物)
トモロボが発する数々の、嫌味を含んだ淀みない言葉の流れにあんぐりと口を開けて聞いていたトモロウであったが、役人の冷静な言葉に正気を取り戻した。
「ちょっと待った。それは、その、気遣いのない、こんな口汚い口利きをする、く、くすんだロボットっていうのは、レ、レア、レアもんてことなのか」
「そうレアもん。でもくすんだなんて言ってないよ」
すぐさま訂正しようとするトモロボの言葉に反応することなく、トモロウはゆっくりと深呼吸を一つした。そして少し間を置いて言葉を継いだ。
「そのぅなんだな。トモロボっていうのは、わしの掛け替えのない家族だ。だからその、なんだ、是非このまま、このままにして置いて、いた、頂こう」
「・・・・・トモロウ、あんた、なんだかとってもいい人なんだね。嫌味の数々を教えてくれた上に、優しさまでも伝えてくれようって、うっうくっく」
トモロボの顔には、トモロウの言葉に機械的に反応した八の字まゆ毛とへの字の口元がこしらえられていた。それは内面の渦巻く感動に必死で耐えているといった状況において、感情表現と称して顔面にこしらえるよう、他の多くのロボットにもそれぞれ同様に設定がされているものであった。
しかしその当初の設定と違い、トモロボの表情は十秒ほどで元の冷静なものに戻った。トモロボは自ら学習する過程でアレンジを加えていき、目を剝いて相手を見つめるという行為も取り入れていたのだ。そしてその行為の視線の先に、トモロウの伸びた鼻の下があった。