あはは……ほーんと、見立てが甘かったわね! 今のあたしからすれば、ツッコみどころ満載の、隙だらけのシチュエーションだったと思うけど。

だって、そーでしょ? 車窓から見える、夜の煽情的な暗い海に、狭い2人きりの密室、おまけに相手のメンズは数日間の缶詰め出張、それから数百キロの車の運転で疲れ切っている……そりゃあ、目の前に妻以外の目新しい女がいたら、ムラムラと襲いたくもなってくるものよねぇ、むしろそれが人情ってものよ!

ま、それだけ、あたしも永らく、EDで男として去勢されてしまったかのよーな、草食、あるいは絶食系の夫としか接触がなかったものだから、女としての勘が鈍って、すーっかり油断しきっていたということね。

タクヤは形だけ2、3回、あたしの頭を撫でるフリをしたかと思うと、そのままあたしにキスをしよーとしてきたわ! あたしは必死に顔を背けて、キスを避けよーとする。

そ、その当時はまだコロナ禍の最中で、あたしはマスクをしていたのだけど、いつの間にかタクヤにそのマスクははぎ取られていたわね。そーやって、辛抱強く攻防戦を繰り返すうちに、あたしも段々と根負けしてきて、もーこのままキスしちゃってもいいかなとさえ思えてきたの。だって、憎からず思っている相手ではあったわけだし。

でもね!! それでも、最後までタクヤを押し返したのは、抗がん剤の副作用ですーっかり免疫力が落ちてしまってる夫の存在だったわ!

彼にコロナはもちろん、まだ性病検査をしていないタクヤから、キスによる粘膜接触で性病とかいった、何かしらの病気を持ち帰ることは断じてできないと思ったのよ。

「まだ性病検査もしていないのに、キスするのはイヤ!」そー言いながら、抵抗を続けていると、今度はタクヤの方が根負けしたのか、それ以上キスを求めてくることはなかったわね。

でもね!! 彼は今度はターゲットをあたしの唇からおっぱいへと変えただけだったの。

これは後になってから彼に打ち明けられたことだけど、あたしが身長163cmなのに対して、タクヤは身長が155cmしかなかったの。ちなみに、彼のサイトのプロフでは160-165cmと詐称されてあったのだけど。

そんでもって、その小柄な体型を活かして、彼はあたしの膝に乗り移ると、ブラウスの大きくくれた襟元からいつしか器用に手を入れて、ブラカップの中まで指先を忍ばせると、あたしの乳首をつまんでいたわけ!

あたしは、「酷い、こんなのズルい!」と思う一方で、肉体は裏切って、彼の愛撫に反応してしまったわけよ。

それにあたしの中で、「乳首吸われる程度なら、粘膜接触には当たらないし、ま、いっか」という打算もあったわけだしね。

だから、しまいには、飽くまでタクヤに襲われてるという体(てい)を装うことだけは忘れずに、自らブラを取ることでさり気なく加担して、彼に吸わせたい放題にさせていたわ。

そーいえば、気分が高まり過ぎて、そろそろあたしのおっぱいから引き揚げよーとしたタクヤに、「……ねぇ、止めないで……もっと……もっと、あたしのおっぱいを吸ってちょーだい……」って、むしろあたしから懇願さえしていたよーな気もする。おぉ、ある意味、今の自由奔放なあたしよりもはるかにエロいじゃないの、笑!

気持ちと肉体の大きな乖離に混乱してしまったけど、一方で、「なるほど、これがあたしが性欲が強いゆえんね」って、冷静にようやく受け止めた自分もいたりしたわけよ。

それからしばらくして性病検査で、タクヤが全て陰性であることが判明したから、あたしたちは待ちに待ったメイクラブを初めて行うことになったの。

 

▶GLO限定企画:21時から3時間だけ開く「夜の書斎」──。
大人の女性のための、激しく濃厚な恋愛作品を毎晩こっそり更新します。
特集ページに戻る

👉『人妻キデ』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】どのような経緯で二人きりになったのか、どうしてホテルに行くことになったのか覚えていなかった

 

ゴールドライフオンライン(GLO)は、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン(GLO)編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp

感想を送る
 
 
✕ 閉じる