【前回の記事を読む】独身だった頃みたいに、女としてチヤホヤされたい!マッチングアプリを開始した人妻は、夫では解消できない“欲”を発散するために…

第2章 誕生! 人妻キデ

タクヤという男

EDで草食系どころか絶食系であたしとしかセックスをしていない夫にとって、性病にかかるということは、すなわちあたしたち夫婦の終焉を意味することでもあったわけだしね。何が何でも夫には性病をうつせないと思ったの。

だから、タクヤに頼んだのよ。ちゃーんと夫の事情も話した上で、「まずは性病検査を受けて、それからあたしと会って(セックスをしましょ)」と。

あらー、我ながら言うのも何だけど、当時はあたしもなかなか初心で奥ゆかしかったものね! まだ相手のメンズに「セックスをしましょ」とはストレートに言えなかったのだから。

今では、セックスどころか、「セフレトライアルを開催します!」なーんて、実にドライに事務的に不特定多数のメンズに伝えたりしているものよ。おっと、またもや先走りしちゃったわね、話を戻しましょ。

そー提案したら、タクヤは一応、快諾してくれたわ。だってこの当時はタクヤとしかやり取りをしていなかったし、彼とやり取りを開始した以上、彼以外の人とコンタクトを取るのは彼を裏切るよーな気さえしたものよ。実際、タクヤはあたしとやり取りを開始すると、サイトをすぐに退会してくれたし、あたしにもサイトを退会するよーに求めてきたから、それに素直に従ったのよ。

え、のっけから何だかいい人に巡り合えて幸せそーだったんだね、ですって?  ……うふふ、ま、ここまではね。

さて、あたしが言い出しっぺだったものだから、あたしがネットで性病検査キットを取り寄せて、タクヤにはそれを使ってもらい、その結果が出るまではセックスを延期しよーという話で落ち着いたのね。

その間、あたしたちのメールでのやり取りも、気が付けば、段々と内容が卑猥なものになってくるわよね。それはそれでなかなか煽情的であたしも嫌いじゃない、実際、それで思いがけなくこちらも興奮してしまって、1人でしてしまったことも数回あったわけだし。一旦、そーいう話題が出るよーになったら、あたし以上に性的に興奮していたに違いない、タクヤは積極的にあたしと会いたがるよーになるわよね。

そ、あたしたちはまだこの期に及んで、一度も実際に会って顔合わせをしたことがなかったのよ。

しかも、その時は写真交換を顔合わせ前にした方がいいっていう知識もなかったし、写真写りが致命的に悪いあたしは、写真が死ぬほど大嫌いで、当然そんなあたしには自撮り写真も全然ない。見せるよーな写真がないと断るとタクヤもそれを受け入れてくれたしね。

それなのに!! 性病検査前に、あたしへの激情にかられたタクヤが、300キロ離れた出張先から自動車で直行で、これまでのやり取りから推測して勝手に調べ上げた、あたしの職場近所まで押しかけて来てしまったのよ!

会う会わないの押し問答の後、彼は一般客を装って、あたしの職場へ乗り込むとか何とか騒いでいるし、それに、夫は職場の同僚へは敢えて非公開にしているけど、あたしの直属の上司でもあったわけでしょ。

あたしはそんなタクヤの一方的で先走った言動にうろたえていたけど、でも今にして思えば、タクヤだって既婚者なわけで、あたしの夫が上司で職場にいることも知っていた筈だから、まさかホントに事務所まで単身乗り込むということはしなかった筈よ。

彼にそーやって担がれてしまったのね。ま、そーやって、情熱的にメンズから来られるのも実はあたし、そんなに嫌いでもなかったけど。

あたしは定時になるや否や、用事があるからと、上司である夫に告げて、そそくさと職場を出て、タクヤとの待ち合わせ場所へと向かったの。結果的にそれが初めての顔合わせとなったわけね。

あたしたちは近所の港へと車を走らせて、そこでしばらく話でもしよーという流れになったわ。

「あたしたちが晴れて顔合わせすることになったら、その時にタクヤから頭をなでなでされて癒されたいわ」と言っていたことを彼は思い出すと、あたしにそのとーりにしてあげるから、リアシートの方へ移動しよーって言って来たの。

あたしはそれを聞いて一瞬、身構えてしまったけど、「タクヤなら大丈夫よね、それ以上のことはしてこないわよね」って思い直すと、素直に彼の言葉に従って移動したの。