その一瞬で、いろんなことが頭を駆け巡り、これから私は結婚し妻になり、もしかしたら母親になる、ということを強く意識した。
期待、希望、漠然とした不安、いろんなものがあの一瞬で駆け巡った。
一樹となら大丈夫かもしれない。
この人とならと思える相手は、後にも先にも一樹以外にいない。
最後その答えに辿り着いた時、私は一樹から指輪を受け取り「はい」と返事をした。普通ならこういう時、嬉しくて涙ぐんだりするのかもしれないが、その時の私は期待と不安が同じ量ずつ攻めぎ合いとても複雑だった。
本当にこの決断は、この選択は、私にとって間違いではないのだろうかとどうしても思わずにはいられなかった。
そして、交際を始めた日付に婚姻届を出し夫婦となった。
正直14年も一緒にいたのもあって、今日からは夫婦と言われてもすでに一緒に暮らしているし互いにいい意味で現実感や実感はなかった。
そして、どうしても心の奥底にある《子どもがほしい》という、どうしようもない願望を打ち消すことはできなかった。
夏に結婚しその年の冬に挙式をしたが、年を越してすぐの頃、私は妊娠した。
次回更新は10月日(木)、20時の予定です。
▶GLO限定・特別企画。 21時から3時間だけ開く「夜の書斎」──。
大人の女性のための、激しく濃厚な恋愛作品を毎晩こっそり更新します。
10月9日(金)から公開スタート! 特集ページはこちらから
▶この話の続きを読む
風俗嬢を辞めた後に待っていた結婚、子育て。愛されなかった私は、子供をどう愛せばいいのかわからない…。妊娠を知った時、私は──
ゴールドライフオンライン(GLO)は、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン(GLO)編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp