その4 入院中考えたこと
2023年5月20日(土)「生きるために食べる」
術後5日目。朝一で近隣の耳鼻科の大先生逝去の訃報を地方会メールで知る。自分が入院中とは何とも因果を感じる。跡継ぎ娘の耳鼻咽喉科N先生に自分の状況をメールした。
朝食後、研修医T先生が来てくれて右腹部J-VACドレーン(やや浸出液が多かったが)を抜去してくれた。
左の時もそうだったが、抜く時何ともいえない痛みと不思議な感覚があり気持ち悪い。身体の中を変な生き物が這いつくばっている感覚であった。
AM10:00、おやつに濃厚な豆乳を飲んだ後に散歩へ出かける。散歩は入院中dutyであり気を抜いてさぼると尻を叩かれる気がして義務感でしていたのである。
歩き出してしばらくすると痛みのせいか? 身体がつらくなったので部屋に戻ってベッドで横になっていると、何だかダルさが持続。
これが早期ダンピング症候群(胃がん術後の食事後に起こる気分不快などの症状)かと思いつつもしばらく寝ていると1時間くらいで回復した。
昼食からは全粥食。先ほどの反省を踏まえて、かなりゆっくりと摂食した。14時に1週間ぶりのシャワーを許された。最高に気持ち良い。よみがえった気がした。「めし、風呂、寝る」は普通に出来て当たり前ではないこと、そしてかなりのエネルギーを要することを思い知らされた。
まだ右腹のドレーン孔の浸み出しはあるが、そのまま浴びた後にガーゼを当ててもらった。15時、おやつのバームクーヘンとミルクもゆっくりいただいた。恐る恐る夕食も食べてテレビを観ながら寝落ちしてしまった。
以前の自分にとって食事は楽しいものであったが、今の自分は生きるために食べている感じがする。そして食事は疲れる作業であることを知る。
しばしば我々は「食べられなくなったら終わり」などと言うが、食べないと身体が弱るから終わりなのではなくて、食べる作業が出来ないくらい身体が弱っている、という意味なのだということを実感した。それほど食べることはエネルギーを要する闘いであるということなのだ。