はじめに
出版を目標にしての私の短歌の旅も、有形無形の多大なる援護の下に三冊目を数えるに至った。第一冊目『歌集 星あかり』三五〇四首。第二冊目『歌集 漣の夢』二一〇〇首(他に「漢語短歌」三九首含む)。
そして、今版の『緑葉(りよくよう)の里(さと)』が四六一六首である。実に、合計すると一万二二〇首を数える(「漢語短歌」含め、一万二五九首)。愛好心に後押しされ広大無辺な短歌を詠む旅に出発したのであった。
一万首を詠むことは当初からの憧憬であったが、あまり自信もなく、実際にそれを決心したのは二冊目の歌集を出版してからであった。今回も自然を主題として詠んだのであるが前半は、無錫(むしやく)市(中国江蘇省)、後半は東京都内の在住ということになった。
住む環境の違ったぶん、山川草木(さんせんそうもく)との出合いは山紫(さんし) 水明(すいめい)、春花秋月(しゆんかしゆうげつ)、花紅柳緑(かこうりゆうりよく)ともいうべく誠に美しく豊かで恩恵に満ちたものであった。
そして、同じ風景や光景を詠んでいるにも拘(かかわ)らず、どの歌も皆相違しているのに気づかされたのである。自然を繰り返し観ていると、いつしか私は異星人に思えてきた。地球人なら当然ながら、宇宙人的視点で観てみると自然をさらに優美に、感動的に、そして、貴重性を覚えるに至ったのである。
自然環境保護が重大課題となっている今、純潔な自然を伝えたい、残したいという気持ちで詠みました。どうぞ、ご笑覧ください。
上條草雨