【前回の記事を読む】彼氏に「下着は脱いで、これだけ着て」と猫柄の“衣装”を渡された…彼がえらんだ服を着て、下には何もないまま最後まで……
バニーガールの夜
4 やっぱり丁寧すぎる彼氏の話
「ねえ、その下って、何か着てるの?」
「俺か。触って確かめるか?」
「触っていいの?」
「いいで」
私はおずおずと一歩、踏み出して、彼の股間に手を伸ばして触れる。
「そこ触っても分からんやろ!」
びっくりして私は手を離してしまった。
「そうかな?」
「判別の難易度が高いって絶対! もっと、太もものほうとか触ったら段差があるか調べられるやろ?」
「そっか」
「待って待って待って! 今のが俺のファーストタッチなん? ちょっと待って、やり直したいかも」
そう言われても、やり直せないのではないか。というかファーストタッチって何?
とまどっていると、彼は私の左右の手を持ち上げ、彼の腰の後ろのところに当てさせてくれた。
「ちゃんと確かめるんやで」
私はちょっと彼の顔を見上げてから、彼のおしりをなでるようにして、下着を着ているのか着ていないのかを確かめる。
「パジャマの中に手を入れてもいいんやで」
「いいの?」
「当たり前やろ」
ズボンのウエストのゴム部分から手を入れて、探るようにしてみた。どうやら彼も下着をはいていない。無言でぺたぺたと、両手で彼のおしりに触る。
「そろそろ抱きしめたくて仕方がなくなってきた。いいか?」
「いいよ」
返事をするのと同時に両腕で抱きしめられる。
思いがけず気持ちがよくて、私は頬がゆるんできてしまう。
彼の着ているパジャマはピンク色で、猫のキャラクターの模様が全体に広がっていて、それを彼が着ていることが面白くて、なんだか楽しくなってきた。
多分、幸せというのはこういう気分のことなのだろう。
自分のほうからも、背伸びをして彼に抱きつくようにした。
二人ともパジャマを脱がなくていいというだけのことで、こんなに安心してしまうなんて。ばかみたいだけれど、よく考えたら今は、ばかみたいでも構わないのだった。
案外、最初に彼が言った通り、私は彼が服を脱ぐことが怖かったのかもしれない。
抱き合うのも胸をなでられるのも、うれしくて楽しくて、ずっと顔が笑ってしまう。
かわいい、好きやで、と何度も彼が言う。
私は口には出さずに、彼のことをかわいいと思い、好きだと思っている。
彼の手が私の太ももをなでて、ふくらはぎを通っていって、足首に近いところに触れる。
突然、混乱するような目まいがするような感覚がした。
気がつくと、私は胃の中のものを自分の体の上に吐瀉してしまっていた。一瞬のことで、おさえる間もなかった。
生温かい感触が胸元に広がっていく。