その日の夕方に呼び出しがあって、優子は母を家に置いて、一人で特急に乗り、福井県警へ行った。警察署の遺体安置所に案内され、確認をするように言われた。父でない事を祈りながら、恐る恐る寝台に近づいた。警官が青いビニールシートをまくった。

「ハァーッ! ハァッ! ハァッ! ハァッ! ハァッ!」と、優子は荒い息づかいをし始めた。

「しっかり確かめて下さい」

優子は遺体の腕を見た。見覚えのある、父が愛用していたスイス製の腕時計があった。

「……父です。アッ! ハァッ! ハァッ! ハァッ! ハァーーー!!」と、優子は激しい息づかいをし、その場でひきつけを起こし失神した。

 

▶この話の続きを読む
優子は、目を見開いたままピクリともせず、そこで夜を明かした

👉『追憶の光』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】「昨日、あなたの彼氏さんとホテルにお泊りしました」と言って、服を脱ぎ始めた女…「ほら」と体についた証拠を見せられ…

 

ゴールドライフオンライン(GLO)は、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン(GLO)編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp