〈この妖怪ババアどもが〉
そして末席に座っている若い女性、光一は目を細め彼女をジッと観察した。
その若い女性は凛とした姿勢で正座していた。長く伸ばした黒髪に整った顔、均整の取れたスタイル。学校の制服を着ているところを見ると光一と同じように終業式の終了後、すぐに来たのだろう。まるでモデルのような見た目だが、光一の興味はそこにはない。今回の遠藤家の訪問理由は彼女のお披露目だからだ。
「アンタが今回のお役目の人間か?」
光一が不愛想に問いかけると、その女性は姿勢を崩さぬまま光一の方へと視線を向けた。
「俺が設楽光一だ」
光一の自己紹介にその女性は深々と頭を下げた。
「遠藤早紀と申します」
その無機質な言動に光一はますます不快感を募らせる。
「それでは我々はこれでおいとまします。早紀をよろしくお願いいたします」
二人の老女はそう言い残し、そそくさと帰って行った。一人残った早紀は先ほどまでとは違い彼を睨みつけるように見ていた。それを見た光一は思わず口元を緩めた。
〈この女、今までの遠藤家の女とは少し違うみたいだな〉
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