【前回の記事を読む】理事会を何度開いても何も決まらない…素人のまま管理会社任せにした結果、管理組合は荒廃し、マンションの将来も危うくなり……
第一章 マンション管理の用語と管理組合運営のトリセツ
6 管理組合って何?
そんな私ですが、2002年にマンション学会に入会した際に驚いた事は学会には法学系の学者や弁護士、建築系の大学の先生や建築士が主流を占めていますがマンション管理の専門家がいない事でした。
マンション管理の英文呼称はcondominium managementなのに、マネジメントの関心は低かったようです。
2009年に大阪大学でマンション学会が開催されましたが、マンション管理士であり著名な建築士の田村哲夫さんが代表を務めたマンション管理士研究委員会の第3分科会で、マンション学会元会長(大阪市立大学名誉教授)の梶浦恒男先生の「マンション運営管理(マネージメント)に求められる専門職能とマンション管理士の役割」と私の「管理組合のニーズとマンション管理士の役割(マネジメント的考察)」の発表がありました。
その後徐々にマンション管理をマンション・マネジメント的発想で捉える動きが芽生えてきたようです。
管理組合の運営を区分所有法や管理規約等で行おうとすれば解釈論が中心になり「良好なコミュニティの形成」が中心になりますが、マンション管理適正化法が意図する管理会社にマンション管理業務を委託し、建物・設備の適正な維持管理を行おうとすればマネジメントの概念が必要になってきます。
マンション管理の管理をマネジメントと理解すれば、役員のうち1名以上は会社経営に携わっている人が選任される事が望ましいと思います。しかし従事する業種がマンション管理業や隣接する業界の不動産業や建築業でなくとも大丈夫です。
ドラッカーも言っていますように「マネージャーに必要な資質は真摯さ」です。経営知識やテクニックよりも真摯に取り組む姿勢です。
企業経営は株主、経営者、社員の三位一体があって初めて成り立ちます。管理組合のマネジメントとは、自分たちの共同生活の場であるマンションの資産価値向上のために「無駄な経費の削減」と「強固な財政基盤の確立」、それに「良好なコミュニティの形成」ではないでしょうか。
そのために、「区分所有者」、「居住者」、「管理会社・設備業者・修繕専門業者」の三位一体のコラボレーションが求められるのです。