高校2年生の年、12月10日午後11時

神戸を経つと淡路島にかかるあたりで雲に包まれ、意識を失った。気が付くと高松の市街地の上空にいた。秋に出張したときに見た風景ではなく、高校生のころに見ていた街の景色だ。

あとは日付と時間だ。1日でもずれていたら意味がない。

思い出の中学校の屋根に降りて、スマホのカレンダーを確認する。日にちは12月10日となっているが、時計は午後10時50分になっている。

やばい、時間がない。長距離の飛行とタイムリープで疲れ切った体を鼓舞して飛び立った。

1分もしないうちに団地が見えた。サイレンの音がして手前の建物から炎が噴き出しているのがわかる。

四階の左端から二つ目の部屋、402号室だ。消防車がすでに放水している。間に合わなかったか。

私は上空でホバリングしながら見守った。やがて炎は小さくなり、鎮火されたとわかる白い煙が漂ってきた。

階段あたりが騒がしくなり、消防服姿の数人が担架を前後に抱えながら降りてきた。

担架は二つあり、布がかけられている。そのまま救急車に乗せられ、走り去った。

次回更新は9月16日(水)、11時の予定です。

 

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