一章 通信制高校に入学する生徒が急増している
一節 通信制高校が人気になったきっかけ
いま、通信制高校が大人気です。
全日制高校に通う生徒が287万4000人なのに対して、通信制高校に通う生徒は30万 5000人、十人に一人が通信制高校の生徒になっています(※1)。
日本の人口減少に伴って高校生の人数は減っているにもかかわらず通信制高校への入学者は右肩上がりで増え続けていて、特に最近は「全日制高校からの転編入」だけではなく、「中学校卒業後の進学先」としても選ばれるようになりました。
なぜ、通信制高校が中学校卒業後の進学先に選ばれるようになったのか。
小学校や中学校で不登校になる生徒が増えており、不登校経験者の受け皿として広く認知されるようになったのも理由の一つでしょう。しかし、最も大きな理由はコロナ禍です。
あのパンデミックを覚えている方も多いと思いますが、新型コロナウイルスが世界中で流行し、感染拡大を防ぐために他者との接触回数を減らそうとステイホームが叫ばれました。街からは人と活気が失われ、あらゆるイベントは中止、海外では都市封鎖(ロックダウン)まで起こりました。
これからどうなるのか先が見通せない中、「子どもたちを登校させるわけにはいかない」という判断から政府は全国の小学校・中学校・高校に対して一斉休校を要請します。そして、子どもたちが自宅でも学習できるよう、文部科学省、自治体、学校が連携してオンラインで学べる仕組みを急ピッチで整えました。
文部科学省は生徒一人が一台の端末を持ち、高速通信ネットワークを整備して個別最適な学びや協働的な学びの実現を目指した「GIGAスクール構想」を前倒しで進め、急な事態に混乱する子どもたちに向けてスクールカウンセラーやSNS相談を推奨。子どもたちが安心して学べる環境づくりに取り組みました。