ミュージックビデオを普及させた
ビートルズは、1966年にすべてのコンサートをやめました。彼らが動いている姿を観られなくなった人々のために、音楽とともに映像を撮影し、ミュージックビデオとして放映することを考えついたのです。それが「ペイパーバック・ライター」という作品です。そこでは映像と音楽が統合され、音楽は「観ながら聴く」アートになったのです。
彼らの先進的な取り組みは、1981年に放送を開始したアメリカのケーブルチャンネルであるMTVで一気に開花しました。マイケル・ジャクソンが華麗なダンスとヴォーカルで大衆を魅了するなど、この手法により世界中のアーティストが様々なパフォーマンスを繰り広げたのです。
世界中の人々に愛と平和のメッセージを伝えた
ビートルズは、東西冷戦の真っ最中にデビューし、世界中が核戦争の恐怖に怯(おび)えていた時代に明るいラヴソングで人々を勇気づけました。そして、1967年に「オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ(愛こそすべて)」を世界24カ国で同時衛星中継された「アウア・ワールド」というテレビ番組で演奏し、愛と平和のメッセージを届けました。
音楽がもはやエンターテインメントにとどまらず、愛と平和のメッセージになり得ることを証明したのです。この精神は、1985 年に行われたアフリカ難民救済のためのチャリティーコンサート
「ライヴエイド」に受け継がれていきました。
「イエー」という言葉を世界中に普及させた
皆さんは、日常生活で「イエー」という言葉を使っていますよね。もちろん、これは英語の「Yeah」から来ています。実は、この言葉を世界中に普及させたのはビートルズなんです。
彼らは、自分たちの楽曲で盛んにこの言葉を使いました。
「シー・ラヴズ・ユー」というミリオンセラーの曲が出来上がったばかりの時に、ポールは、父親のジムに聴かせたのです。すると彼は、「いい曲だが、『イエー』という言葉は品がないから『イエス』に変えなさい」とアドヴァイスしました。
ポールは、それでは面白くないと耳を貸さずそのままにしました。この言葉は、イギリスでは労働者階級の言葉として使われていたのですが、ビートルズは、それを普通に歌詞の中に取り込んだのです。彼らが盛んにこの言葉を使ったので、当時の大人からは「イエー・イエー・ソング」と揶揄(やゆ)されました。
しかし、彼らが盛んに使ったために、この言葉は、一種の「若者言葉」として全世界で普及し、そのうち大人も使うようになったのです。日本語でいえば「ヤバい」みたいなものでしょうか。
試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。
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