【前回記事を読む】「お金を出して虫を買う人がいるわけがない!」北朝鮮で現地の人に「日本ではカブトムシが500~1,000円」と話すと……
1回目の訪朝
1 やっと叶った2008年の訪朝
■いざ、エントランスへ!
この採集の過程で私が実感したのは、大同江(テドンガン)の水質の良さです。
水生昆虫類は水質汚染による影響を直に受けるため、絶滅危機に瀕した昆虫類は少なくありません。今では水質を調べる上でもその指標として、これら水環境に生息する昆虫類が用いられています。
私はこの日の採集から、朝鮮の水環境はまだまだ十分に保たれていることを実感できました。
日本では外観では清涼な川に見えても、近隣にある電灯に夜中に虫が群がるような光景が少なくなったという話をよく耳にします。しかし、ここでは夜間にたくさんの昆虫類が灯りに群がる姿を首都である平壌でも観察することができました。
この日の採集では、清流に棲む水生昆虫の一種であるヘビトンボの仲間が採集できたのですが、後に調べたところ本種が朝鮮において新記録種であることが判明しました(写真5)。
写真5 飛来したヘビトンボの一種
エントランスでも成果ありで、めでたしめでたしです。