あ〜ちと緊張してきたな〜。二人とも同じ感じやな。周りの人たちも同じ雰囲気しているみたいだ。翔太はつぶやいた。

「はい。それでは初めに乗車前安全点検をして、それからバイクにまたがってください」とマイクで告げられると、翔太はバイクを指差し点検・安全確認をして、スタンドを立てたままバイクにまたがろうとした。

すると翔太の前の女の子が、スタンドを倒してバイクにまたがろうとした。翔太が何か危なっかしいな……これコケるパターンっぽいな、と感じて、すぐにバイクに乗らず、少し様子を見てからまたがろうと思った瞬間だった。

「あ! ヤバイヤバイ! あ〜あーあ〜〜!!」

教習車にまたがった女の子が声を上げた。

翔太はすぐにその子のバイクに駆け寄り「おっと大丈夫?」と、後ろからバイクをガシッと支えてバイクが倒れるのを防いだ。

「ありがとう! 死ぬかと思った」

「死なねーよ(笑)。乗ってからスタンド倒さんとコケてまうよ」

「だよね〜。パニクっちゃった。でも、助かった!! マジ感謝、ありがとね」

「じゃ、気をつけて頑張って!」

「うん、そっちもね」

かわいいなぁ。こんな女の子も大型バイク乗るんや。翔太はブツブツ言いながら自分のバイクに戻ってすぐにまたがった。

「それではエンジン点火してください」

ドキドキすんな。一発目のエンジン点火。緊張するな。翔太はドクンドクンと心臓が波打つのを感じながら、ゆっくりとセルボタンを押した。キュルキュルブォン! 一発点火、よし! アクセルを数回ひねる。ブォンブォン♪

「お〜何かテンション上がってきた〜」

翔太は初めて自分で運転するのに興奮していた。前にバイクに乗ったのは後ろだったが、今は自分がハンドルを握りバイクを支配している。楽しさがドキドキ脈打って、バイクの鼓動に体がシンクロしていく。

ここからがスタートだ。さぁ始めよう。準備はOKだ! 翔太は気合いを入れた。

「はい、先頭から順番に車間を空けてコースに出てください」

先頭を走る教官の後に、まるでカルガモ親子のようにピヨピヨライダーが続いて走り出す。まずは大回りにぐるっとコースを周回する。途中信号が赤になれば停止。

左右を確認して、また走る。これを反復する。コースは事前に説明があった。前のバイクが出発した。

翔太がウインカー(指示器)を右に出し、アクセルをひねると、スッーとまるで氷の上を滑るようにバイクはコースを走り出した。

心臓バクバク気持ちはハラハラの出発だが、初めの一歩は上々だ♪ 他はどうだろうと翔太がバックミラーを見ると……

「トン吉、はいエンスト(笑)キーボーは問題なしにイケてる。クラッチを外すタイミングを誤るとエンストする。これは事前に予習しておいたので問題なしだ」

翔太はよしよしとうなずきながら見ていた。

 

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