【前回の記事を読む】履歴書で不合格ばかりだった高齢の日本語教師…“とある文章”添えただけで、すぐに内定が出るようになった。

序章 日本語学校就職

(3)日本語学校はどんなところか

さてようやく就職できた日本語学校とはどんなところなのか。そもそも日本語学校がマスコミに取り上げられるのは、多くはロクに授業もしないでブラック企業に仕事を紹介しているというような話である。

まあそういう学校を淘汰するための新しい日本語教育制度なのだろうが、そんな学校はあってもほんの一握りだろう。

私の勤務するスバラシ日本語学校が日本語学校の平均的とは判断できないが、日本語学校のイメージをつかんでもらうために簡単に紹介しよう。

場所は新宿歌舞伎町とこれ以上ない便利なところにある。時々学生から「うちの学校はどうしてこんなところにあるんですか」と聞かれることがあるが、「日本の最先端の地だからだよ」と答えている。

新宿から高田馬場の間には多くの日本語学校があるが、全国では定義にもよるが800から900校くらいあるようだ。

スバラシ日本語学校の学生数は10年前の3倍の約1千人。学生は最長2年間(日本語習得のための留学ビザが出るのが最長2年)の日本語学校での勉強のあと、そのほとんどが日本の大学院、大学、専門学校に進学する。

たまに本国で一度就職したという学生もいるが、たいていは18歳〜22歳くらいの、もしかすると孫くらいの若者である。なお進学先に東大、京大は珍しくない。

学生は中国人が約8割と一番多い。次に多いのはモンゴル人だが、そのほかは国情やその時の募集の力の入れ具合などにより変動する。

中級あたりまでは国際色豊かで、ベトナム、カンボジア、インドネシア、ミャンマーなどの学生とも接する機会があった。韓国は少ない。私は経験していないが、最近はネパール、バングラデシュや中央アジアの国々、ロシアからの学生もいる。

行政の基準で1クラスは20人まで、初級から初中級、中級、中上級、上級などレベル別にクラスが編制される。

たいていの学生は少しは本国で勉強してくるが、初級はひらがな・カタカナから学び、上級になると「なぜアメリカ国民はトランプを大統領に選んだのか」といった結構中身の濃い読解の教科書を使う。

もっとも漢字の壁が高いので、上級まで来られるのは99%中国人学生である。使用言語は日本語で、毎日1コマ45分を4コマする。

週5日のうち担任になる教師は2日以上担当するが、残りの教師は1日ずつが多い。お互い日誌に授業の様子を記録して情報を共有する。

これだけ多くの国のしかも夢を抱いてくる若者と接する機会は普通にはなかなかない。それがあるのが日本語学校である。わざわざ親元を離れて日本に来ているわけだから、みんな前向きだ。

そのひたむきな気持ちに応えてやらなければと思うし、そのお手伝いをしているんだと新鮮なやりがいを覚える。苦労よりも喜びが多い仕事だ。