はじめに

本書では、未来学のアプローチとは異なり、以下で述べるように、「個人としての人間」を対象にしている。特に変動激しい地球の社会環境の下で個人が、満足度の高い人生を送ることが出来るように、最適マネッジメントを提供するものである。

長く生きると、自分の人生の他、多くの先輩、友人、知己の人生にも触れる。それぞれの人生には多くの教訓、学びが含まれている。と同時にその中に失敗、挫折、困難などがあることを知る。

若い頃には、自分の未来を予測することもしないで、目の前のことに大きなエネルギーと時間を集中して、遮二無二生きてきた期間がある。

人生経験を積み、年齢を重ねてくるにつれ余裕が生まれ、もっとうまく、効率的に生きることが出来た筈だと思い返すことがしばしばある。

長く生きていると、沢山の経験、知識などを得て、社会や家庭で起こる諸問題について、余計な心配をしなくてもその結果や落ち着く先をおおよそ予測や想像することが出来るようになる。年齢を積み重ねることは不思議である。逆に健康や体力などに関して新たな出来事に遭遇する。

更に付け加えてみる。若い頃、過度・過敏に反応していた問題が、それほど重大事に受け取らなくてもよかったのではないかと反省することがある。

その時のストレスを自分自身で過度に抱きこまないで済んでいたのではないかと悔やむことがある。又その逆もある。

あの時もっと打つ手があったのではないか、異なるやり方があったのではないか、もっと真剣に取り上げて検討を加えるべきだった、そうすればその問題を事前に、うまく解決出来た筈だと深い反省の念に襲われることがある。

人は成長の各段階で、多くの経験をする。その段階で、物事をより重点的に学んだり、能力の及ぶ範囲を広げたり、深めたりすることが出来る(識者によると、誕生後にこれほど多くの能力を獲得する生物体はいないとのこと)。

又その能力を強めカバーする範囲を広げるのに適した年齢や年代があるのではないか、と思うことがある。

体力、気力、知力、経験などの点で他に頼りになる、信頼出来る人材が自分の周囲にいることがある。

もしその最適の年齢や年代を知ることが出来れば、最も適した年齢や年代を慎重に選んで課題に挑戦し、自分の前に横たわる問題を処理する方がより良い結果が得られるであろう。

更にその結果の上に更なる挑戦をすれば、成果と共に、自己の能力を更に上げリフレッシュすることが出来る、それがより効率的であるし、新たに獲得した能力も最大化されるのである。つまり課題を先送りするのではなく、自己の人生で最適の年齢、年代を選んで解決することである。

個人がこれらの課題を克服し、満足度の高い人生になるよう、この本が少しの道案内の役目を担うことが出来れば幸いである。