【前回の記事を読む】猟師が仕掛けた罠に狼がかかったが、何者かによって外されていた——以前、罠を仕掛けた際に外し方を見ていた……
第1章 森の動物たち
小鳥のリリコと狼の群れ
これには後日談があって、猿がリリコに会ったとき言いました。
「あのときの足の爪は、鹿のじゃなくて、狼の爪だね、あのあとで狼に会ったらすぐ分ったよ。すごく感謝していて、友好的だったからね。これからは本当のことを言ってくれても助けに行くよ」
モグラのモクちゃん
小さい皆さん、こんにちは。今日はモグラのモクちゃんのお話をします。
これは前巻の小鳥のピーコと若虎の王様の続編です。
その後ピーコの森はどのように、なっていったのでしょう。
王様の虎が死んで何年もたつと、ピーコの森は少しずつ飢饉が収まってきて、森に緑が還ってきました。もう大丈夫です。皆の間にも笑顔が戻ってきましたよ。
でもそんなとき、思いがけないことが、この森に起り始めました。
それはヨソモノが次々に森へやって来て森に住みつき始めたのです。
今まで森は強い団結を誇り、決してヨソモノが住みつくということはなかったのです。でも長い飢饉の間に強いものたちは去り、王様もいなくなったので、こんなことになってしまったのです。
「一体これからどうしたらいいのだろう、ピーコはどう思う?」
あるとき森の会議で、そこにいたピーコに会議の議長役のヤギが言いました。でもピーコにも良い考えがありません。首を傾けるばかりです。
そんなとき、誰かが言いました。
「こんなときモグラのモクちゃんがいてくれたらなあ」
それで皆は「えっ」と顔を見合わせました。
そしてそうだモグラのモクちゃんがいるじゃないかと思いました。
でも、もう十年も誰もモクちゃんに会っていないのです。
モクちゃんは十年ほど前に、仲良くしていた恋人のモクミちゃんが死んで、それ以来、土の中から出てこなくなったのです。
でもそれ以前はモクちゃんは森の王様でした。何故ってこの豊かな森の緑を造ったのはモクちゃんだと言っても過言ではないからです。