「せっかくですし、ご一緒してもよろしいでしょうか?」

「いや、悪いけど、俺達は身内の歓迎会をしているので、遠慮してくれるかな」

長澤さんが迷惑そうに言う。

「あら、そうでしたの。では仕方がないですわね。行きましょう、俊雄さん」

長澤さんの機転に救われながらも、『行きましょう』と言われながら、二人との席が近くて会話が聞こえてくる。

楽しそうに笑う悠希さん。俊雄さんも笑っている。傍から見れば恋人同士のデートそのものだ。

「亜紀ちゃん、お店移る?」

心配そうな顔をして、南君が言ってくれた。でも私は何も悪い事はしていない。だからお店を代わるのは、逃げるようで嫌な気がした。

「ううん、大丈夫。今夜は南君の歓迎会なんだから、気を回さなくても良いよ」

「あ、そうだ。亜紀ちゃんと南君に話さないといけない事があったんだよ。実はね、『UR』ってブランドの服を置かせてもらえる事になったんだ」

「わ、凄いですね! 超有名ブランドじゃないですか!」

「俺も好きです! そのブランド! めっちゃテンション上がってきたぁあ!」

「だから、忙しくなるけど、よろしくな」

「はい!」

私と南君の声が重なる。

「――え? そうなのですか? ふふ、俊雄さんとご一緒していると楽しいですわ。もっと、もっとご一緒したいですわ……今夜もお付き合い下さいます? 朝まで」

その悠希さんの言葉を聞き……

 

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「彼は運命の相手。私と彼は心も体もぴったり」私を前にしても揺るがない社長令嬢。私は怒りの沸点を越え――

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