第3章 ヒューマンエラー防止対策

2、ダメージを防ぐカベの設置

次に組織における活動を例に、要素別に設置するカベのポイントを述べます。

2-1L-S(ソフトウエア)

ソフトウエアにおけるカベのポイントは、そこで活動する人が“自分の行うべきことを理解し、思い通りに実行できる”ようにするための、ルールや手順を確立することです。また、不必要となった手順が存在するのなら削除するなど、業務のスリム化を行うことも必要です。

人の活動においてストレスを発生させない条件の1つは、“自分のやるべき仕事を明確に理解し、躊躇なく行動できる”ことです。しかし、それを確実にするために、ルールの中で決めておかなければならないことがあります。

それは、“役割”、“責任”、“権限”の3つです。これらが明確にされていなければ、活動しようとする時に無駄な迷いが生まれます。その迷いが原因となり活動のどこかで曖昧な部分が生じてしまい、悪くすると不具合となって大きな問題を引き起こす可能性もあるのです。

人へのダメージを最小限に抑えるために作られたルール。そのルールを活用する時にも、注意しておかなければならない点が3つあります。

1つ目は、人がルールを充分に理解して運用しているかどうかの確認です。これはその“人”の力量とも関係する内容ですが、作業を行う時に決められた手順やルールについて、当人の記憶が曖昧な場合には、どうしてもぎこちない動きになりそれが本人へのプレッシャーとなって現れます。