雲の意図

疑いの果てにつかむものだからこそ

細くなくてはならなかった

カンダタよ

苦しみの果てに縋(すが)るものだからこそ

強くなくてはならなかった

ああ、カンダタよ

闇にさす一条だからこそ

その目にも届いたのだ

それなのにお前は

ああ、疑ってしまった……

その地獄を疑った!

その苦しみを疑った!

カンダタよ

お前は、疑いをも疑ったのだ

本能

静かに躍動(やくどう)している

良さを認めようとする

生きている

これは、僕自身の問題ではない

何かが流れている

暗くても見ようとする

生きている

これは、僕自身の命令ではない

何もない 僅(わず)かな冷たさ 透明は 

ひろがりはじめ 暗い宇宙へ