スポーツ界の偉人も難しいことは何一つ言っていない。

2025年にメジャーリーグの殿堂入りを果たした、元プロ野球選手のイチロー氏。誰もが天才と認めるレジェンドが、2004年にメジャーリーグ年間最多安打記録を更新した際に印象的な言葉を語っている。

「小さいことを重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道」

“努力の天才”と言われた彼らしい言葉であり、彼の姿からその言葉の意味の深さを思い知らされる。

私たち消防設備士も然り。信念を持って、小さいことを積み重ねていくことが「最強の消防設備士」になるための唯一の道であることは間違いない。

ここからは、先に述べた5つの要件について、具体的な内容とその実践方法を示していこうと思う。この実践の積み重ねによって「最強の消防設備士」として、あなたが使命の道に生き抜く「真の消防設備士」となることを私は信じてやまない。

最強の消防設備士たる要件① 基本を怠らないこと

私たち消防設備の仕事に携わる者が、まず初めに教わる設備と言えば、多くの人が“消火器と誘導灯”と答えるに違いない。

専門設備のみを点検・工事している人は該当しないかもしれないが、消防設備全般の点検に携わる者にとって、これらの設備に触れる機会は最も多いはずである。

それは初期消火と避難誘導の場面において、消火器や誘導灯が最重要設備であるからに他ならない。これらは、比較的小さな建物であっても設置が求められるため、必然的に触れる機会が増えるのである。

小さな火であれば消火器で消すことができるし、火災の時には誘導灯が避難口の方向へ導いてくれる。そんな最重要設備であるのに、点検では一番疎(おろそ)かにされている現実をご存じだろうか。

ここで私が経験した実例を紹介させて頂きたい。

CASE 1 偏った消火器の配置

とある大型倉庫の点検時のことである。別業者からの切り替えにより弊社に点検依頼があった案件だ。前業者は消火器管理表を作成していたものの、点検には図面を使用していなかったようで、消火器の配置が分かる図面は存在しなかった。

事前に建物の平面図を頂き、点検当日は管理表をチェックしながら図面に消火器の位置をプロットしていった。

こうして作成した消火器の配置図を見てみると、倉庫内作業の邪魔にならないように消火器が端に寄せられ、歩行距離20メートル以内に消火器が存在しない偏った配置となっていた。消火器の本数は十分だったが、配置に問題があったため、消火器の配置変更が必要となった。

 

 

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