■ 飛行機に乗って現地のホテルへ
2008年6月19日。
大きな不安と希望を抱き、単身で朝鮮へ向かうため新潟空港へ向かいました。
私は2008年当時まで高校と大学在学中に、それぞれ2回ずつの計4度の訪朝経験がありましたが、すべて船便だったため飛行機は初めて。
一度も飛行機に乗って旅行などをしたことのない家庭で育ったので、この時は想像するだけで緊張しました。しかし、フライトを想像するよりも前に、新潟空港に着いて私の荷物の多さを見るや職員によって別室に連れて行かれ、荷物を検査されました。情勢の悪化も要因だと思いますが、私の装備からして格別に怪しかったのだとも思います。
「訪朝の目的はなんですか?」という職員の問いに、「虫採りです!」という基本目的しか答えなかったので、職員も面食らっていました。
採集を行わない人からすると、道具も怪しいものばかりなので、疑われても仕方ないかなぁ〜と緊張していましたが、怪しい取引に行くわけでもなく、「虫採りに行く」という嘘偽りのない理由によって堂々としていたためか、思いのほか早く検査は終了しました……というか、カワウソの調査がメインですが(笑)。
そしてようやくハッピー・フライト!
近年では、北京(ペキン)から平壌(ピョンヤン)へ行くのが普通ですが、当時はロシアのウラジオストックへ。 そこで数時間待機し、現地職員に導かれて「平壌行き」の飛行機に搭乗すると、あっという間に現地の飛行場に到着していました。慣れない飛行機で緊張していたせいか、この時の記憶はありません。
しかし、海路で2泊3日かけて行く船便とは違い、当日中に着く空路に抱いた違和感ははっきりと憶えています。船便では新潟港を出て朝鮮の東側にある元山(ウォンサン)港に到着してもなお、4時間半をかけて車で首都平壌まで移動するのです。その長旅を経験していた私にとって、空路はまさにワープのようなものでした。
そのため、空港で私の案内役をしてくれる人に出迎えられると開口一番、「ここ、本当に平壌なんですか? もう着いたんですか?」と尋ねてしまうほどでした。