自らの研究の根幹に揺らぎを認めた神は、娘と共に既に終了している研究についても該当するものがないか再検証さえ行いました。

このような刺激を受けるたびに神は、この娘の創造を先延ばしにしなかったのは正解だったと感じました。

しかし、やがて神は娘を恐れるようになりました。

果たしてこのまま成長した時、自身と娘の考える最善は一致するのだろうか?

娘は神が世界を適当に創造したことを断罪しようとするのではないか? 自身を超える力を持つ可能性があるのではないか? 取って代わろうとするのではないか?

その不安から、娘をオリジナルとしてダウングレードした存在である天使を創造することにしました。

そして、娘を天使の長に置き、天使が娘に代わって働くことで成長を制御することができるのではないかと考えたのです。

神が娘を恐れる一方で娘にとって神は愛してやまない親でした。

神はここでも予想以上の愛着を世界に抱いたように、思いの重要さを図り損ねていました。

恐らく、互いの関係が親子の関係だけで済んでいれば、この先の対立を防げたことでしょう。

神は世界の観測を娘と天使に任せ、次第に世界からも娘からも距離を置いていきました。

それは罪悪感と恐怖からでした。しかし、娘は愛する親から与えられた仕事だと励みました。

一方、距離を置かれたことを寂しくも思っていましたが、口には出しませんでした。

神は天使に自身と娘を同一視しないよう偶像崇拝を禁止しました。

これは娘が神の子供でありつつ、コピーやクローンとも言える存在であったからです。同時に、神が感じる娘への恐怖心など知られたくないという理由も含んでいたため、偶像崇拝を禁止した理由を誰にも語りませんでした。

神自身も他人に語る難しさを考慮するほど深くは考えていなかったのでしょう。

 

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