⑨ 本との出会い……むさぼるように

乾いた砂に水を撒くが如くに、本をむさぼり読んでいる姿がありました。回復への歩みのミーティングや保健所での相談時に、置いてある本を借りました。彼にチェーンをかけられて外へ出された時、図書館で回復の糸口を手繰るように……。

幸いなことに家の近くに区立の大きな図書館がありました。今思えば、私の今があるその原動力となっている「信仰の大地」に、ホップしステップしジャンプするために、それらの本が私を誘ってくれたように感じます。

たくさんの本の中から、その一部を記しておきたいと思います(著者敬称略)。

平成六年(一九九四年)

『自助論』(サミュエル・スマイルズ著、竹内均訳、知的生きかた文庫、三笠書房、一九九四年、第十三刷)
 この本は、自分を助けるためにはと、探した本でした。

『わが息子よ、君はどういきるか』(フィリップ・チェスターフィールド著、竹内均訳、知的生きかた文庫、三笠書房、一九八九年 初版)
 息子たちが生きていくためにはと、心を痛めていた時に。

平成七年(一九九五年)

『アルコール依存症からの回復・家族のために』(森岡洋著)
『無名のアルコール中毒者の回復(十二のステップ・AA)』(AA日本出版局訳編、AAJ.S.O.、一九七九年)
『家族依存症』(斎藤学著、誠信書房、一九八九年)
『私は親のようにならない』(クラウディア・ブラック著、斎藤学・信田さよ子共訳、誠信書房)
『安心感 自己不安を「くつろぎ」に変える』(加藤諦三著、大和書房、一九九六年 第八刷)
 不安の塊のような自分、どうすればと手にした本でした。
『人生の悲劇は「よい子」に始まる』(加藤諦三著、PHP文庫、一九九四年、一版第十六刷)
『親離れできれば生きることは楽になる』(加藤諦三著、PHP文庫、一九九六年、一版第一刷)
『「安らぎ」と「焦り」の心理』(加藤諦三著、PHP文庫、一九九六年、一版第一刷)
 加藤諦三(早稲田大学名誉教授)の心理学シリーズの文庫本は他にもたくさん読んでいました。

平成八年(一九九六年)

『「家族」という名の孤独』(斎藤学著、講談社、一九九五年 第七刷)
『アダルトチャイルド物語』(大越崇著、星和書店)
『アダルト・チルドレン完全理解』(信田さよ子著、三五館、一九九六年、初版)
『リカバリー アルコール依存症の親を持つ成人した子供たちへの手引』(ハーバード・L・グラヴィッツ、ジュリー・D・ボーデン著、大越崇訳、星和書店、一九九五年、初版第二刷)
 この本との出会いは、最も衝撃的なものでした。何度も読みました。
『いのち』(紀野一義著、PHP文庫、一九八七年)
『あなたが変わる家族が変わる』(猪野亜朗著、アスク・ヒューマン・ケア)
『職場のアルコール対策110番』(水澤都加佐著、中央労働災害防止協会、平成五年、第二刷、著者サインあり)
『アラノンで今日一日』(アラノンジャパンGSO著、一九八三年、初版)