【前回の記事を読む】離婚禁止。離婚がバレたら“村八分”にされる共同体…夫婦仲が悪くなったらどうするのか聞くと「神に祈るの。」と言われた。
第4章
アーミッシュにまつわる話
4)アーミッシュ社会にもある鬱と自殺
アーミッシュ社会では、教義的に自殺は神の意志に背く行為なので、自殺者は皆無、ストレスがないから鬱になる人はいない、と考えられてきました。
確かに数10年前まで、アーミッシュ社会に、鬱や自殺はなかったそうです。
それが近年、時代の変化に伴って、鬱になる人や自殺をする人が現れました。
鬱になるのは、女性が多いそうです。
原因として、アーミッシュが農業だけで生計を維持することが難しくなり、男女共、外の社会に出て働かざるを得なくなったので、ストレスを抱えるようになったことが考えられます。
農業であれば、豊作も不作も神の意志なので、誰を責めることもありません。
農作業の合間にリフレッシュして、気持ちの転換を図れます。
何より、畑の中にいるだけで、自然に癒され、人間関係に悩むことはないでしょう。アーミッシュは、ずっとそんな生活をしてきたのに、アメリカ社会に侵食され、近代化の波を押し止めるのが難しくなりました。
アーミッシュ共同体の、地盤のゆるい場所にいた若者達から、徐々に近代化の波に呑まれていき、今や、しっかり地面に踏ん張って伝統を固持しているのは、共同体の中心に立つ教会の重鎮と、一部のアーミッシュだけ、と言っても過言ではありません。
急激な、環境の変化について行けず、精神を病む人が出てくるのは当然のことです。
アーミッシュ社会に、鬱や自殺が増えてきたのは自然の成り行きに思えます。