晴れのち曇り、曇りのち晴れ
その年の文化の日以降、長男は一度も登校することはありませんでした。
その頃、一番末の娘は小学3年生になっていました。3年生になると、これまで通っていた学童保育に行きたがらなくなったのですが、その妹を長男が私に代わり「おかえり」と迎え入れてくれました。
正直、シングルで働く母にとってそれはとてもありがたいことでした。
そして月日が経ち、中学の卒業式を迎える季節のある日、ポストを開けると学校から個別卒業式の案内が届いていました。
そのことを長男に話してみると、思いもよらず「いいよ。参加する」と言ったのです。
驚きを隠せませんでしたが、内心当日の朝まではどうなるか分からないと思っていました。
そして、卒業式当日の朝になりました。久しぶりに制服を着た息子を見て一瞬涙がこぼれそうになりましたが、彼の足元を見ると、身長が伸びたことで制服のズボンが短くなっていて、二人とも笑ってしまいました。
そして丈の短いズボンのまま1年半ぶりに2人で校門をくぐり校長室へと向かいました。
校長室で行われる個別卒業式は、校長先生、担任の先生、学年主任の先生と私と息子の5人だけの小さな卒業式でした。
通常の式典と同じように卒業証書を授与されると、校長先生が「今の気持ちをお母さんに聞かせてあげてください」と長男に言いました。
すると彼は、校長先生のほうから私のほうへ向きを変え、真っすぐな目で、「不登校になったあの日から僕のことを認めて寄り添ってくれて、ありがとうございました」と深く一礼したのです。
その瞬間、私は恥ずかし気もなく大きな声でワンワン泣きました。そして無事卒業式を終え校長室のドアを開けると、廊下から玄関先まで先生方が花道のアーチを作って待っていてくれました。
それを見てまたもや泣きながらアーチをくぐったことは、きっと息子よりも私にとって大きな一生大切な思い出となりました。
そんな息子も現在22歳。中学卒業のあと、高校へ進学し、もうすぐ大学の卒業式を迎えます。
👉『片づけられるようになるために私がやったこと』連載記事一覧はこちら
【イチオシ記事】「抱き締めてキスしたい」から「キスして」になった。利用者とスタッフ、受け流していると彼は後ろからそっと私の頭を撫で…
【注目記事】生徒を下校させた後、すぐにラブホテルへ…まだ2回目の彼に、早く触れて欲しい。2人で歯磨きした後、優しくキスされて…
ゴールドライフオンラインは、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp